語ること

わたしたち人間にとっては、ただ生きるだけでは十分とは言えません。同時にわたしたちはどのように生きているかをことばにしなければなりません。どのように生きているかを語らないなら、わたしたちの人生は活力と創造性を失ってしまいます。美しい景色を見たら、見ているものを表そうとことばを探します。心やさしい人に出会ったら、その出会いについて語りたくなります。

悲しみや大きな苦しみに遭うと、その悲しみや苦しみについて語る必要を感じます。喜びで驚いたときには、その喜びを告げ知らせたいこと思うのではないでしょうか。ことばを通して、わたしたちはどのように生きているかを自分のものとし、内面化します。ことばは、わたしたちの経験を真に人間的なものとしてくれます。

 「今日のパン、明日の糧」ヘンリ・J・M・ナウエン、聖公会出版、222ページ。

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