イエス様の受難物語を読む 

    古典や文学作品は、「読者」と「物語」という空間的・時間的隔たりを取り去り、読者を作品の中に導いてくれる特徴があります。読み進めながら、主人公のことを想像したり、ある事件の結果を推測したり、また、少し留まって、思索したりします。私たちは、物語の登場人物と相互に関わりを持ち、ストリーの展開について語り合うというダイナミックな体験をすることが出来ます。

    新約聖書の冒頭にある四つの福音書は、マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ福音書記者の名前で書かれており、イエス様の生涯と、人々との出会い、そして語られたメッセージについて記述されています。福音書は文学作品としても高く評価されて、多くの芸術作品のもととなっています。

    歴史上の様々な芸術家が、イエス様の最後の出来事、つまり「受難」に注目して、音楽や文学の作品を作ってきました。その後、彼らの作品は全人類の遺産となっています。世界中に知られているダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」はその一つの例です。

    キリスト教界では29日から聖週間に入ります。イエス様の最期の出来事をめぐって、黙想する時期です。基本的な方法は、受難物語を読むことです。今年はカトリック典礼では日曜日ごとにマルコ福音書が朗読されています(下記のリンク参照)。ですから、わたしたちと共にマルコによるイエス様の受難物語を読んではどうでしょうか。

福音朗読は、Laudate | 教会カレンダー

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