「信じる者に伴うしるし」 (マルコ16章15~20節)

福音朗読=>Laudate | 教会カレンダー

  本日の福音朗読の一節に「彼ら(信じる者たち)はわたし(イエス)の名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語り、手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」という箇所があります(17-18節)。

   現在世界の至る所で、情勢不安による社会的困難が存在する中で、少数派であるにもかかわらず、暴力と殉教の危機に直面しても、忍耐強く対処し続けるキリスト者たちがいます。この人たちは、人間関係をはじめ、現代の格差社会の複雑な問題に対しても、恐れることなく「神が私たちと共におられる」という確信をもって、諸問題に関わっているのです。

   信じる者に伴うしるしは、祈りやミサ(礼拝)に与るという「儀式的なしるし」ではなく、「社会的なしるし」となります。それは、不条理な現実に向かい合い、それを攻撃的に解決するのではなく、非暴力の信念を貫き、自身の生き方を周囲に示している大勢の素晴らしい人たちが実践していることなのです。これらの人々は、感動を与える奇跡に劣らない行い を、社会に身を持って伝えていると言えるでしょう。 

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