求めるものと同一視する人間 (マルコ5章25~34節)

福音朗読は Laudate | 教会カレンダー

 

    約15年前からスピリチュアル・ブームが起こり、それに関連するグッズや書籍が店頭に並ぶようになりました。それらを購入する人の多くは、霊的なものにすがり、夢中になっている人は少なくありません。

    「目に見えない何かと繋がりたい」や「生きる意味を与えてくれる偉大なものが欲しい」という人間の願望に、「スピリチュアル・ブーム」が応えているのが現状なのです。有り余るほど物を持っていても、満たされないと感じている現代人の心の叫びが存在します。そこには、本物の幸せに憧れるあまり、喉が渇いて必死に水を探し求めているような現代人の姿が映し出されているのです。

     ある心理学の原則によると、「人間は求めていることと自分を同一視し、一体となる」そうです。たとえば、「スピリチュアル・ブーム」に乗っている人は、パワーストーンを身につけたり、幸運にあやかるため、パワースポットを訪れたりします。それは、先ほど述べた「目に見えない何かと繋がりたい」すなわち「一体となりたい」と望んでいる証なのです。

    みなさん、一生懸命に求めているものが何であるかを意識しているのでしょうか。そして、それは人生や人間関係において、どれほど影響を与えるのか気づいているでしょうか。考えてみましょう。人間は求めているものそのものになるのですから.

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