深く憐れむこと (マルコ 6章30~34節)

福音朗読は Laudate | 教会カレンダー

   今日の福音箇所は、イエス様をレントゲン撮影したようなものです。この写真から、イエス様の内面を観察することができます。イエス様の「深く憐れむ」(34節)という言葉に注目してみましょう。「深く憐れむ」とは、見て見ぬふりをすることでも、口先で「かわいそう」と言うことでもありません。これは、内側の視点から他者を見て、憐れむことを意味しています。つまり、「目」で見るのではなく、腹の底から同情を感じて、行動へとつなげる見方なのです。

    聖書の世界における「憐れみ」は、ヘブライ語で「母胎」や「子宮」を指します。イザヤ書49章15節には、「女が自分の乳飲み子を忘れるであろうか。母親が自分の産んだ子を憐れまないであろうか。たとえ、女たちが忘れようともわたしがあなたを忘れることは決してない」と書かれています。この言葉から、イエス様の「深く憐れむ」とは、神による母性的な無条件の愛を表しているのではないでしょうか。

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