分かち合いの奇跡(ヨハネ6章1~15節)

福音朗読は Laudate | 教会カレンダー

 

    イエス様は大勢の人々の世話をしようとお考えになり、弟子たちにその心づもりを伝えました。するとフィリポは、「この人たちに食べさせるには、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう。ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」と答えました。おそらく、フィリポは大勢の人々を世話するのが面倒なので、集まっている人々を解散させた方が良いと考え、その気持ちをイエス様に伝えたのかもしれません。

   しかし、少年の気持ちは違っていました。自分の食べ物、日本風に言えば、おにぎり五個と焼き魚二匹をすぐに提供しました。実は大人たちもお弁当を持っていましたが、あくまでも自分のためで、他人と分けるという考えは頭の中に全くありませんでした。自分の都合しか考えていない男たちは、黙ったままその場にいたのです。

   ここで、奇跡的な転換が起こります。お弁当を出した少年を見た大人たちは、自分たちの卑しさに恥ずかしくなり、相次いで自分の食べ物を出し始めたのです。分かち合いが行われたことで、皆は満腹になるまで食べることができました。分かち合いは、分けることによって何倍にもなるのです。

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