受難の主日に当たって 

福音朗読は Laudate | 教会カレンダー

   受難物語の流れに沿って読み進めると、いくつかのコントラストが浮かんできます。例えば入城の場面で最も注目すべきことは、イエスが乗った動物です。それはロバです。ロバは荷物を運ぶ家畜で、労働を象徴しますが、同時に謙虚を表す動物もあります。一方、皇帝や王たちは「馬」や「馬車」に乗ります。馬は栄光や権威を表す動物だからです。

   もう一つの対照的な場面は、ピラトが群衆の前で手を洗うことに対して、イエス様は弟子たちの足を洗う場面があります。ピラトは、イエス様に対して一切の責任を取らずに、イエス様を群衆に渡します。一方、イエス様は弟子たちの足を洗うことによって、待ち受けている受難に自ら深く関わって命をかけていきます。

   受難物語に登場する人物は、ピラトと彼の妻、群衆、祭司長、律法学者たちと長老たち、百人隊長、またイエス様を裏切ったユダ、イエス様のことを否定したペトロ、イエス様に忠実に従ったマグダラのマリア、イエスの遺体を納めたアリマタヤのヨセフなど大勢います。これらの登場人物と自分を置き換えて、受難物語のイエス様に近づいてみましょう。

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