死ぬ心構え 

   死はしばしば突然やって来ます。交通事故、病気、戦争、災害などなど。健康で力がみなぎっているときには、自分の死について考えることはありません。それにも拘わらず、死は全く思いがけずにやって来ます。どうすれば死に備えることが出来るでしょうか。決着のついていない人間関係上の問題を、一切残さないようにことによってです。要はこういうことです。自分を傷つけた人をゆるしたでしょうか。また、自分が傷つけてしまった人にゆるしを乞うたでしょうか。

   わたしの人生の一部であったすべての人々と心安らかな関係でいるなら、わたしの死は大きな悲しみとなることはあっても、後ろめたさや怒りをもたらすことはないでしょう。どんな時にも死ぬ準備が出来ていると、どんな時にも生きる準備もまた出来ています。 

      H.ナウエン、「今日のパン、明日の糧」、聖公会出版、2003年、291項

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