親子関係  聖家族の祝日に当たり

  「子どもとは、いちばん大切な客人だ。子どもたちは家の一員となり、特別に面倒をみなければならず、しばらくのあいだ家に留まりから、自分自身の道を歩むために去っていく。親が息子や娘のすることすべてに責任があると思い、子どもに対してある親の罪悪感を感じていることが多いが、子どもたちが客だという意識を持てばそれが解放に繋がる。

  親であることの難しさは、子どもが育ち、身心と共にひとり立ちできる自由を自分のものに出来るように助力することにある。親にとっての誘惑はこどもに執着し、自分自身が到達できなかった目標を押しつけ、直接間接にどれほど自分に恩があるかをほのめかすことだ。成長するまでの何年もの間愛情を注ぎ、手塩にかけたこどもがさっていくのを目のあたりするのは本当に厳しいことだ。 

  しかしかれらにもまた、親が知らず、押しづけることも出来ない自分自身の道筋があって、一時的に家にとどまっている客なのだと自分に言い聞かせれば、おそらく穏やかに子どもの前途を祝福して立ち去らせることが出来る。」

H。ナウェン、「差し伸べられる手、真の祈りへの三つの段階」、女子パウロ会(pp.102~106)。

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