イエスに出会った人々 ⑤ ザアカイ(ルカ19章1-10節)

お手持ちの聖書で該当箇所を読んでいただくか、

http://www.bible.or.jp/read/vers_search.htmlを検索してください。

      ザアカイは背が低かったので木に登りました。すると、新しい世界が見えてきました。実際は同じ世界ですが、新しい視点から見たために全く違ったものに見えたのです。ザアカイが見たのは、まさにその世界です。彼の仕事は、ローマ帝国の徴税人でした。自分の利益のために税金を多く集める傾向があったため、人々から嫌われ、また宗教的に罪人(つみびと)と見なされていました。そんな彼が勇気を出し、皆の前で木に登るという奇妙な行動をとりました。すると、突然新しい出会いに招かれ、ザアカイにとって思いがけない第二の人生の始まりに応えていくようになるのです。

     「今日はぜひあなたの家に泊まりたい」とイエスに話しかけられると、ザアカイは取り乱すのではなく、急いで降りてきて、喜んでイエスを受け入れました。生気に満ちた動的な応えではないでしょうか。ここでの「急ぐ」という表現は加速のことではなく、いのちの鼓動です。イエスからの呼びかけは、警告や命令でもなく、福音すなわち良い知らせでした。そのため、彼の喜びが溢れたのです。

 ***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の撮影です。

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