イエスに出会った人々 ⑥ ベトサイダの病人 (ヨハネ5章1-10節)

お手持ちの聖書で該当箇所を読んでいただくか、

http://www.bible.or.jp/read/vers_search.htmlを検索してください。

       イエスからの「良くなりたいか」という質問は、余計なことばとして聞こえるかもしれません。5つの回廊には、病気の人や目の見えない人、足の不自由な人などが大勢集まっていました。中には、38年も病気にかかっている人もいたのです。

   「主よ、水が動く時、私を池の中に入れてくれる人がいないのです。私が行くうちに、ほかの人が先に降りて行くのです。」という表現から、病気の人の間でも弱肉強食の世界が存在しているのだと分かります。彼は孤独な存在で、しかも自分の境遇を嘆いており、病気を治したい気持ちをあきらめているように感じます。イエスに質問されることによって、この人は大勢の群衆の中で初めて助けを必要としている人間としてみなされ、彼の存在は認められていくのです。

    現代では、対人関係をうまく築くことができず、群衆に対する恐怖感を抱えている人が多いようです。さまざまな不自由さに横たわっている人々に人生の生きがいや希望を与えるために、まずその状況に置かれている兄弟姉妹の存在に心をかけましょう。

 ***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の撮影です。 

f:id:nipponblog:20180209174620j:plain