「知ってるつもりキリスト教」⑧ イエスによる神の国の実現

         イエスが朗読したイザヤの預言の冒頭に、「主の霊が私の上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、主が私に油を注がれたからである」(ルカ4・18)という文があり、ここにイエスの使命が要約されています。油を注がれてメシア(キリスト)となった者が、良い知らせである福音を貧しい人に告げ知らせるという使命は、イエスが生涯をかけて行ったことです。貧しい人や病人、そして社会の片隅に追いやられている人などの苦しむすべての人にイエスはすすんで歩み寄り、神の愛を伝えました。言葉だけではなく、自らの行いを通して命をかけて伝えたのです。

         イエスが「聖書の言葉が実現した」と言った時、神の愛が訪れていることをすべての人に伝えるために自分が遣わされていることをはっきりと自覚していたのです。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供

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