「知ってるつもりキリスト教」⑫ イエスのたとえ話と福音宣教

     ルカ福音書15章には、三つのたとえ話が記されており、罪人(つみびと)と一緒に食事をしたイエスを批判した人々に対して語られています。一つ目のたとえ話には、次のようなものがあります。

     「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」(ルカ15・4-7)

      通常であれば、九十九匹の羊を野原に残して一匹を捜しに行くことはないかもしれませんが、イエスはあえてこのようなたとえ話を用いました。どこかに行ってしまった羊のような私たち一人ひとりのことを、神はたえず心にかけていると伝えようとしたのです。

宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供。

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