「知ってるつもりキリスト教」⑬ 最後の晩餐とはどのような出来事なのか

   自らの死を覚悟したイエスは、エルサレムにたどりつくと弟子たちとの別れの食事をします。やがては捕らえられる自分の立場をよく理解して、自分の死がどのような意味を持つのかを弟子たちに伝えているのです。

    イエスはパンとぶどう酒を用いて、自分に待ち受けている運命を弟子たちに示します。当時のパンは円形の平たいものであって、他の人に分けるときは手で裂く必要がありました。イエスはパンを自らの手で裂くことによって、自分の体が引き裂かれるという「死」を象徴的に示そうとし、ぶどう酒は血によって立てられる「新しい契約」を表したのだと言われています。

    これを聞いた当時の人々は、モーセイスラエルの民がシナイ山で神と契約を結んだことを思い浮かべたはずです(出エジプト記24章)。動物をいけにえとして神にささげ、その血をもって神との契約のしるしとしたということです。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供

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