「知ってるつもりキリスト教」⑭「わたしの記念として」

    最後の晩餐は、コリントの信徒への手紙一とヨハネ福音書以外の三つの福音書に詳しく記されています。当時、すでに各地に広がっていたキリスト教徒の共同体では、この最後の晩餐を記念する集い(後に聖餐式や主の晩餐、そしてミサと呼ばれるようになった)が行われており、パウロや福音記者たちの記録はそれに基づいていると考えられます。

    信者の共同体では、イエスが命じた「わたしの記念として行いなさい」という言葉に忠実に従って、イエスの死後もイエスの言葉や行いを思い起こすために共に集まり、その中で最後の晩餐を記念する儀式を行っていました。信者の集まりはやがて「教会」として発展していきますが、最後の晩餐の記念こそ、この信者の共同体である教会を生かす原動カとなり、現在に至るまで続けられています。最後の晩餐を記念することによって、イエスの死と復活は、絶えることなく告げ知らされているのです。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供。

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