「知ってるつもりキリスト教」⑱ 復活祭とはどのような祭日か

   キリスト教の暦の中で、最も重要で盛大に祝われるのが復活祭です。イエスの生涯の最後の出来事、すなわちイエスの受難と死と復活を祝い、この一連の出来事を「主の過越(すぎこし)」と呼びます。イエスが最後の日々を送ったのは、ユダヤ教三大祭りの一つである過越の祭りの時でした。この祭りは、イスラエルの民が神によってエジプトでの奴隷状態から救われたことを記念したものです。祭りの名前である「過越」とは、エジプト人を滅ぼした神の使いが、イスラエルの民の前を「過ぎ越した」という出来事に由来しています(出エジプト記12章参照)。ユダヤ教の暦で新年に当たるニサンの月の14日に、イスラエルの人々は小羊をささげ、酵母の入っていないパンを食べて祝う習慣を守ってきました。

    一方、キリスト教では、自らの命をささげたキリストが新しい小羊になりました。神に復活させられたことによって、イエスが死に打ち勝ったことを盛大に祝うことが早くから始まりました。そして、ニサンの月の14日は毎年3月末から4月初旬に当たり、復活祭の日付は春分の日の後にやってくる満月の直後の日曜日と決められているのです。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供。

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