知ってるつもりキリスト教」⑳ 最後の晩餐の記念であるミサ

  初期の教会では、特定の名称はまだ定められていませんでしたが、使徒言行録2.42と46、そして20.7にある「パンを裂く」という言葉が最後の晩餐を記念する式の名称として用いられるようになりました。その後、ギリシャ語で「感謝」を意味することばなどが式の名称に用いられ、最終的に祭儀の終わりを告げるラテン語の「イテ・ミサ・エスト(行きなさい、解散です)」から取られた「ミサ」が、この集いの名称として一般的になったのです。

   ルネサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『最後の晩餐』には、イエスが十字架上で処刑される前の食事の様子が描かれています(マルコ14.17~25、コリント信徒への手紙一11.23-26)。弟子たちと食事をともにしたイエスは、パンを「わたしの体である」、そしてぶどう酒を「わたしの血である」と言って彼らに与え、「わたしの記念としてこのように行いなさい」と弟子たちに命じたと伝えられています。

   このことばに従い、弟子たちはイエスの死後、たびたび集まり、イエスがしたようにパンを裂いて食べ、イエスの最後の晩餐を記念する祭儀を行うようになったのです。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供。

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