「知ってるつもりキリスト教」㉚ クリスマスとキリスト

   キリスト教最大の祝日は復活祭であり、かなり初期の頃から祝われていましたが、イエスの誕生がはっきりとした形で祝われるようになったのは、4世紀以降のことです。

   キリスト教ローマ皇帝で公認されたこの時代、ローマでは太陽神を崇めるミトラス教という宗教がありました。この太陽神の誕生は、12月の冬至の頃(25日)に祝われていました。やがて、キリスト教が勢力を拡大するにつれ、この太陽神の誕生祭をキリスト教化し、イエスの誕生を祝う日としたのです。冬至を境に日が次第に長くなっていくこの季節は、世を照らす光、そして正義の太陽と崇められるキリストの誕生を祝うのには好都合だったのです。

   クリスマス(Christmas)は「キリスト(Christ)のミサ(mass)」という言葉が省略されたものです。また、Christmasを短くしたXmasと言う表記も目にしますが、それはギリシャ語のX(キー)という文字です。ギリシャ語では、キリストをΧριστος(クリストス)と言い、後に頭文字だけでキリストを表すXmasが出来上がりました。

  12月24日の夜、あるいは翌25日にキリスト教の教会で本物のクリスマスを体験してみませんか。お近くの教会に足を運んでみてください。みなさんを必ず歓迎してくれることでしょう。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。
***写真・カトリック玉名教会(熊本県玉名市)。

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