聖書に登場するシンボル」『動物』 鷲

  あらゆる宗教と文化の中で、鷲(わし)はさまざまな象徴的な意味を持たされています。ライオンが地上にいる獣の王で地のシンボルであるのなら、空高く天翔(あまがけ)る鷲は、天のシンボルなのです。今日でも国の紋章に鷲が使われることがあります。アメリカ合衆国がその例です。

   聖書の中でも鷲は大切な鳥です。イザヤ40.31に「主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない」とあります。当時の伝説によると、鷲は雛に特別の配慮をし、危険だと思えば雛たちを翼に乗せて飛びましたし、巣の上を旋回して敵の攻撃から雛を守りました。申命記32・11に「鷲は巣を揺り動かし、雛の上を飛びかけり、羽を広げて捕らえ、翼に乗せて運ぶように」とあります。それと同じように、神様はわたしたちを愛して世話をしてくださいます。

  鷲は福音史家ヨハネのシンボルにもなっています。それはヨハネによる福音書の初めのみことばが神の玉座まで昇っている鷲のように見えるからです。ヨーロッパの聖堂ではヨハネのシンボルとして、鷲の絵や彫刻がよく目につきます。大聖堂の朗読台も鷲をかたどっていて、ちょうど鷲の両翼の上に聖書を広げて、そこから聖書を読む格好になっています。

 M.クリスチャン 『聖書のシンボル50』オリエンス宗教研究所 参照。

***写真は高木淳さんの提供。アルバムのリンク先 ->

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