聖書に登場するシンボル『動物』 おんどり

   おんどりは、すべての動物の中で一番早く暁を知らせるので、世界中の文学に大きな影響を及ぼしてきました。聖書の中でもシンボルの一つになっています。神秘的に考えれば、おんどりの声は、闇(罪と死)を追い出し、光(善と命)を起こすと思われていたので、悪から目覚める心と、死に対する勝利のシンボルにもなりました。

    また、皆があなたにつまずいても、わたしは決してつまずきません、と誓ったペトロはおんどりの鳴く前、つまりまだ夜のうちに、イエスのことなど知らないと三度も裏切りました(マタイ26・69~75)。すると、すぐ鶏が鳴いて、ペトロは自分の弱さに目覚め、胸を打って激しく泣き出しました。ペトロの像と絵にもおんどりがよく付いています。

    初代教会の信者の墓石に、おんどりの絵が彫ってあるのを見かけますが、それは死に対する復活のシンボルです。ヨーロッパの教会で塔のてっぺんに立っているおんどりは風見の役をすると同時に「いつも目を覚ましているように」、そして、「キリストの光の告知者としての役目を果たすように」とわたしたちを促しているのです。

 M.クリスチャン 『聖書のシンボル50』オリエンス宗教研究所 参照。
***写真は高木淳さんの提供。アルバムのリンク先 

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