聖書に登場するシンボル『動物』 小羊

     家畜の中で一番人間に頼る動物は羊だそうです。聖書では、羊の従順と羊飼いへの信頼は、人間の神に対する信頼の心のシンボルとして羊はしばしば登場します。例えばイザヤ40・11に「主は羊飼いとして群れを養い、御腕をもって集め/小羊をふところに抱き、その母を導いて行かれる。」とあります。小羊は毎年、過越祭で出エジプトを記念していけにえの犠牲にされていました。

      キリスト教では、小羊はキリストを暗示します。ヨハネ福音書1・29には洗礼者ヨハネは、イエスが自分の方に来られるのを見て、世の罪を取り除く神の小羊だと、二人の弟子に示しました。そして、キリストは十字架の上で血を流したことで過越祭の新しい小羊として、復活祭のいけにえとされました。ミサの聖体拝領の前に司祭がパンを裂いた後、「神の小羊の食卓に招かれた者は幸い」と宣言します。私たちのために、ほふられるしるしとしてキリストの体が砕かれることを意味します。

     パウロの「キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られた」(Iコリント5・7)という譬えから欧米の国々では、復活祭の食事にはお肉料理として「ラム」または小羊の形でパン菓子として食卓に登場します。

M.クリスチャン 『聖書のシンボル50』オリエンス宗教研究所 参照。
***写真は高木淳さんの提供。アルバムのリンク先 
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