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年を取るということ

   秋は、実り多い収穫の季節です。人生の秋もそうです。先日、偶然雑誌でマザー・テレサの写真を見つけ、じっくり眺めました。カトリックのシスターでありながら、ヒンドゥー教の国・インドで、路上でみじめな死に直面している人々を、心をこめて世話をした彼女の姿が浮かんできました。写真の顔は確かにしわだらけでしたが、生き生きと輝いた目をしていました。

   10年前、90歳で帰天した私の祖母の目はブルーでした。亡くなる一年前、病気が原因で一晩で見えなくなりました。しかし、祖母の目は、信じられないほど鮮やかなままでした。マザー・テレサも祖母も美しいと思います。美は外から身につけるものでなく、老いてもなお、内側から豊かににじみ出て来るものだと教えられた気がします。

   聖書の知恵に「白髪になってもなお実を結び、命に溢れ、いきいきとしている。」(詩編92・15)という表現があるように、年を取ることは、心の中にある美を映し出すという、一生をかけた人生の作業なのです。

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