イエスに出会った人々⑫ 妹のマリア(ルカ10章38から42節)

お手持ちの聖書で該当箇所を読んでいただくか、

http://www.bible.or.jp/read/vers_search.html を検索してください。

    イエスは二人の姉妹の家に滞在していましたが、このエピソードを読むたびに、マルタとマリアの対立という解釈をしてしまうことが多いでしょう。マルタはマリアを批判し、当時の社会の常識に従って「女性らしい」振舞いを求めています。一方で、マリアは落ち着いた様子でイエスの足もとに座り、その話に聞き入っていました。マルタと同じようにせわしなく動く私たちにとって、マリアのような姿は不可能だと考える人も少なくないでしょう。 

   しかし、マリアは別世界に属するものではありません。実は、イエスの足もとに座るというマリアの行為は、非常に勇気が必要なことなのです。なぜなら、彼女は女性に対する当時の宗教の常識、すなわち「女に律法を教えることは時間の無駄」という教えに挑戦しているからです。律法を学び、それに聞き従うことは敬虔な男性ユダヤ教徒の態度です。マリアは大胆にも、当時の男性と同じ態度を取っているのです。

 ***写真とことばはロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供です。

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