お手持ちの聖書で該当箇所を読んでいただくか、
http://www.bible.or.jp/read/vers_search.htmlを検索してください。
イエスが自分の舟を選んだので、おそらく、ペトロは心が弾んでいたことでしょう。けれども、この後、その気持ちは一変してしまうのです。イエスから船を沖に出すようにと頼まれたものの、夜通し魚をとろうと苦労したが、何もとれなかったというペトロの答えから、イエスのことばに疑いを持っていると推測することが出来ます。
イエスに対するペトロの信頼が揺らぐ難しい瞬間ですが、「お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」というペトロの応答から、危険と恐れを越えて、イエスの言葉を信頼しようと心に決めた瞬間であることがわかるのです。
勇気ある決断を必要とする時、利害の範囲を超えて、自分に賭けてみるという経験をしたことはないでしょうか。私たちは、他者を信頼して身を任せるという少しばかりの冒険を通して鍛えられていくのです。この体験から信頼が芽生え、個人的な関係から社会までもが築かれていくのです。
***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の撮影です。