イエスに出会った人々⑬ 耳が聞こえず舌の回らない人(マルコ7章31-37節)

お手持ちの聖書で該当箇所を読んでいただくか、

http://www.bible.or.jp/read/vers_search.html を検索してください。

 

    福音書には、耳が聞こえず口も利けないため、人間関係だけではなく社会的にも非常に不自由な状況におかれている人が登場します。人間は、耳と口を通して周囲との関係を作り上げ、そのつながりによって交流し、また共有するのです。私たちは、「聞くこと」と「話すこと」、つまりコミュニケーションをとることによって、お互いに気持ちや意見などを伝えます。

    人間関係という視点から見ると、彼は人間同士でのコミュニケーションを奪われています。耳が聞こえないため、周囲から届くはずの「音」が遮断され、自分の内に固く閉じこもっています。また、舌が回らないため、気持ちや感じていることを相手に伝えることができません。要するに、孤立している存在なのです。

      しかし、イエスと触れ合うことによって、話すことも聞くこともできるようになりました。複雑な人間関係に悩まされている私たちは、このような接な出会いにめぐり合いたいものです。

 ***写真とことばはロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供です。

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