「知ってるつもりキリスト教」③ 福音書とは?

  キリスト教の中心人物は、言うまでもなくイエス・キリストです。イエスについて知り、その生き様を学ぶために、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの名を冠した福音書を読むことは第一歩となります。これらの四つの福音書は、イエスの生涯について知るために最も重要な記録です。しかし、イエスの伝記でも福音書を書いた人が出来事を「生中継」したものではありません。 

  福音書は、イエスによってもたらされた救いについての良い知らせです。この良い知らせは、生前のイエスの言葉と行いによって告げられました。イエスの死後、口伝によって受け継がれ、それが後に文書として書き留められて、現在あるような福音書としてまとめられたのです。

   そして、この文書をまとめる作業にあたった人物を「福音記者」と呼びます。四人の名前がそれぞれ福音書に付けられていますが、実際の著者が誰であるかは定かではありません。最古の福音書はマルコ福音書で、マタイとルカの両福音書は、マルコ福音書と今は現存しない聖書学ではQ資料と呼ばれるイエスの語録集を用いて書かれたとされます。これら三福音書は内容が関連しているので「共観福音書」と呼ばれており、ヨハネ福音書は「共観福音書」とは違った視点で書かれているのです。

 宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供

 

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