「知ってるつもりキリスト教」⑪ イエスはたとえ話で何を伝えようとしたのか

   イエスが人々に福音のメッセージを語る時、「たとえ話」を用いることがよくありました。当時の日常生活の中から親しみやすい素材を借りてたとえ話を作り、神の愛や神の国について語りました。イエスは、神が私たちから遠くかけ離れた存在ではなく、ごく身近なところにいる方として実感できることを伝えようとしました。また、神の行うわざは私たちの理解をはるかに超えたものであることを伝えようとしたのです。

    イエス神の国について述べる時、「神の国は何に似ているか」や「神の国を何にたとえようか」などと語っています。ルカ13・20には「神の国を何にたとえようか。パン種に似ている。女がこれを取って3サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」とあります。ここで用いられているパン種とはイースト菌のことで、これによって粉が発酵します。このたとえを通して、神の国とは私たちの目から見れば小さなものかもしれないが、そこには何倍も大きく成長する力があることを伝えようとしたのです。

宮越俊光著 『早わかりキリスト教』(日本実業出版社、2005年)参照。

***写真はロペス神父(聖ザべリオ宣教会会員)の提供。

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