あなたも出てきなさい

福音朗読は Laudate | 教会カレンダー  (ヨハネ11章1~45節)

   イエス様は墓に納められたラザロに、「ラザロ、出てきなさい」と大声で呼びかけています。ラザロとは異なり、私たちは命が与えられ、墓の中ではなく社会の中で暮らしていますが、このイエス様のことばは私たちにも向けられていると考えられます。

    私たちは人間関係において、閉塞感溢れる状態にいます。自己中心的考えや過去の嫉妬、怒り、憎しみなどが足かせとなり、人生の道を歩むことが出来ず、死んだ状態にいるのではないでしょうか。そのような過去の状態は、いのちを窒息させるものです。また、知らず知らずのうちに、他者に対する心遣いに鈍感になってしまっているかもしれません。

    イエス様が言った「ほどいてやって行かせなさい」とは、手と足を指していますが、心の奥底にある嫉妬や憎みなどを解放させるという解釈も可能なのではないでしょうか。私たちを束縛している感情を解放させると、周囲の物事に関心を持つようになり、周囲の人々を恐れることなく、つながりを持っていきます。つまり、出ていくことから出会いは芽生えるのです。

            f:id:nipponblog:20170331182122j:plain