ロバは大変役に立つ動物で、車は行けないところもロバは行けますし、非常に重い荷物でも運ぶことができます。ロバは柔和で、蹴られても抵抗しませんし、餌はなんでも食べますし、背は低く、目立たない動物です。全く反対なのが馬です。馬は姿美しく背は高く、プイドがあって、生気に満ちています。当然、馬は王様、貴族、兵士や金持ちの乗り物となりました。馬は癇癪(かんしゃく)持ちが多いので、乗るときに危険な目に遭うともあります。
そういうことを考えると、イエスがエルサレム入城の時に、子ロバに乗って来られた理由がうなずけます(マルコ11・1‐6)。イエスはロバに乗ることによってわたしたちに深い意味を教えてくださいました。イエスは救い主であり、神の子でありながら、仕えることを教えられたのです。プライドの高い馬に乗らないで、わざわざ謙遜で柔和なロバを選びました。イエスはロバが荷物を運ぶように人間の弱さやもろさ、そして醜さなどという罪のすべてを背負っていくのです。
M.クリスチャン 『聖書のシンボル50』オリエンス宗教研究所 参照。
***写真は高木淳さんの提供。アルバムのリンク先