聖書に登場するシンボル

聖書に登場するシンボル 「樹木」

樹木は創造主が自然界に注ぐ生命力の具体的なしるしを表しています。木々は、春ごとに自然の再生を告げます。乾燥した砂漠で草木を見出せば、そこには生命を可能にする水のある事がわかる(出エジプト記15・27)。神が祝福する敬虔な信者は樹木にたとえられ…

聖書に登場するシンボル 「砂漠」

神の創造を表す大切な二つの言葉があります。「カオス」と「コスモス」。「カオス」は天地創造以前の混沌した状態、「コスモス」は秩序整然とした宇宙をさします。創世記1.1-2には「初めに、神は天地を創造された。 地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、…

聖書に登場するシンボル 「水」

天から落ちてきて、泉や小川において地表に現れる水は、乾いているものを元気づけ、汚れを浄め、火と闘うための、最も手近な手段です。 「天から下の水が一つ所に集められた」ので要約、乾いた陸が現われた(創世記1・9‐10)。原初の水は生命の水に変わりまし…

聖書に登場するシンボル 「園」

聖書の中では、エデンの園がよく知られていています。創世記2・8‐9の「エデンに園を設けられた神が、園の中央に、命の木と善悪の木を生えいでさせ」とあるその園は実在のものではなく、「神が人類に約束された幸せのシンボル」です。エデンの園は、人間が耕…

聖書に登場するシンボル 「油」

地中海を囲む国々はオリーブの木が多いところです。オリーブの木の実からはオリーブ油が採れ、いろいろと利用しています。あの国々の人たちにとって、オリーブ油は神の大きな恵みに思えたでしょう。「ぶどう酒は人の心を喜ばせ、油は顔を輝かせ/パンは人の…

聖書に登場するシンボル 「聖霊」

ヘブライ語では「聖霊」は動く空気、すなわち風を意味すします。大昔の人は、風を神の息と考えていました。この風は、時によって暴風として何もかもなぎ倒していくかと思えば、猛暑にあえいでいる時に涼風を送って、人を癒してくれます。ですから、風は、神…

聖書に登場するシンボル 「雲」

どの民族も、山の上には神々が住んでいると思っていました。昔からお寺や神社や修道院などは山の上に建てる慣わしがありました。山は天に住む神に一番近いところにあり、一方で世俗から一番遠いところにあるからでしょう。 ところが高い山はしばしば雲に覆わ…

聖書に登場するシンボル 「隅石」

日本の木造建築は、まず基礎を造ってから家の中心に大黒柱を建てますが、中東アジアやヨーロッパでは、ふつう自然石か煉瓦を使って家を建てるので、建物の四隅部分に積んだ隅石が家の補強のもとになります。隅石には角の形をした石を選び、上に積む二つの壁…

聖書に登場するシンボル 「捧げ物・血・いけにえ」

どの文化圏に属する宗教でも、神や霊などに「捧げ物」をする習慣があります。神などに何かを差し上げる代わりに、特別のお恵みやおゆるし、ご加護などを乞うことでした。日本のような農耕文化では米、酒、果実でしたし、家畜牧畜の文化では動物でした。特に…

聖書に登場するシンボル 「光」

創世記1・3には、「神は言われた。『光あれ。』こうして、光があった」と書かれています。聖書では光は神の一つの特徴で、その光は神の栄光とも言われています。もっと具体的に言えば、光は幸せ、愛、平安、秩序などすべての積極的で肯定的な要素を含みます…

聖書に登場するシンボル 「ぶどう酒と杯」

ぶどう酒は生きる喜びの一象徴であり、人間と神はぶどう酒によって喜びを与えられ、元気づけられます。神自ら人の心を喜ばせるぶどう酒を人間に与えてくださると詩編104・15にあります。主は渇きを覚えている者に水ばかりではなく、ぶどう酒をも、無償で与え…

聖書に登場するシンボル 「パン」

植物学者によると、麦はパレスチナ(イスラエル)原産の植物だそうです。当然、イエスの生まれ育った国の主食はパンでした。当時のパンは薄くて丸い形でした。インド料理のレストランで供されるナンというものに似ています。聖書の中で、パンは人間の物質的…

聖書に登場するシンボル『動物』 小羊

家畜の中で一番人間に頼る動物は羊だそうです。聖書では、羊の従順と羊飼いへの信頼は、人間の神に対する信頼の心のシンボルとして羊はしばしば登場します。例えばイザヤ40・11に「主は羊飼いとして群れを養い、御腕をもって集め/小羊をふところに抱き、そ…

聖書に登場するシンボル『動物』 ロバ

ロバは大変役に立つ動物で、車は行けないところもロバは行けますし、非常に重い荷物でも運ぶことができます。ロバは柔和で、蹴られても抵抗しませんし、餌はなんでも食べますし、背は低く、目立たない動物です。全く反対なのが馬です。馬は姿美しく背は高く…

聖書に登場するシンボル『動物』 魚

すでに旧約聖書において人間は海にすむ魚にたとえられています(コヘレト9.12、ハバクク1・14)。新約聖書でも、魚は人間を表します。イエスは弟子たちに、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた(マタイ4・19)。また、五つのパン…

聖書に登場するシンボル『動物』 おんどり

おんどりは、すべての動物の中で一番早く暁を知らせるので、世界中の文学に大きな影響を及ぼしてきました。聖書の中でもシンボルの一つになっています。神秘的に考えれば、おんどりの声は、闇(罪と死)を追い出し、光(善と命)を起こすと思われていたので…

聖書に登場するシンボル『動物』 豚

ユダヤ教では「けがれ」を大変に嫌います。そのけがれの中には、罪の結果がもたらした道徳的なけがればかりではなく、衛生的なけがれも含まれています。たとえば、ある動物はけがれたものだから、その肉を食べてはならないといった具合です。ユダヤ教の社会…

聖書に登場するシンボル『動物』 山羊

聖書には、たびたび山羊の話が出てきます。大抵の羊飼いは、羊と共に山羊を飼っていました。彼らにとって山羊は大切な動物でした。乳はとても栄養価が高くてチーズづくりに適していましたし、その毛は天幕の材料でした。雨が触降ると、テントの毛は防水の役…

聖書に登場するシンボル『動物』 鳩

創世記8・11に鳩は出てきます。地上を覆っていた洪水が引き始めると、ノアは鳩を放して、地の面から水がひいたかどうかを確かめようとしました。一回目は鳩が止まるところがなくて箱舟のノアのもとに帰ってきました。二回目に鳩はくちばしにオリーブの葉をく…

聖書に登場するシンボル」『動物』 蛇

昔から蛇はあらゆる動物の中で、一番気味の悪いものと思われています。穴や草むらの中からぬるっと出てくる姿は、あたかも黄泉(よみ)から現れてきたかのようです。表皮が古くなると表皮全体を裏返して脱皮するため、蛇は「復活と癒し」のシンボルでもあるの…

聖書に登場するシンボル」『動物』 鷲

あらゆる宗教と文化の中で、鷲(わし)はさまざまな象徴的な意味を持たされています。ライオンが地上にいる獣の王で地のシンボルであるのなら、空高く天翔(あまがけ)る鷲は、天のシンボルなのです。今日でも国の紋章に鷲が使われることがあります。アメリ…

「聖書に登場するシンボル」『数字』 「十」

「十」は人間の指の数です。原始人は自分の手の指で、ものの数を数えたのでしょう。昔から「十」は、十進法の基本でありました。 創世記14・20にアブラハムはすべての物の十分の一をいと高き神の祭司サレムの王メルキゼデクに贈ったと書かれています。ヘブラ…

「聖書に登場するシンボル」『数字』 八

「八」は新しいスタートを意味する数です。創世記21・4によると、アブラハムはサラが産んだ自分の息子をイサクと名付け、神が命じられたとおり八日目に割礼を施しました。そのため、すべてのイスラエルの男の子は、誕生八日目に割礼を受けるようになりました…

「聖書に登場するシンボル」『数字』 七

「七」は 聖書の中で一番大切な数で、完成を表しています。聖書の書かれた時代には。地球を中心に惑星が七つあると考えられていました。太陽も月も、もちろん惑星の一つと思われ、惑星の名前がそのまま日、月、火、水、木、金、土と曜日の呼び名に残りました…

聖書に登場するシンボル」 『数字』 六

「七」(次回)は完成を意味している数ですから、「六」は一つ足りないという意味になります。世界は六日間で創造されたが、この完全な業をなし終えた創造主は、さらに第七の日を加え、この日を聖別した(創世記2・1‐3)。このように、最初の六日から第七の日を…

聖書に登場するシンボル」『数字』 五

「五」という数字は聖書によく使わされている数なのですが、その由来は専門家にもはっきり分かりません。モーセの五書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)は旧約聖書の一番大切な部分です。神がモーセに十戒を与えた時、石の板を二枚に切らせ…

「聖書に登場するシンボル」  『数字』 四

四という数字は死に通じる発音から、縁起の悪い数として日本の病院などでは敬遠されてきました。しかし、ほとんどの文化で、四は「自然」を表す数とされています。昔から人々は四方のあることに気づきましたし、地球の温帯地域には四季があります。ギリシャ…

聖書に登場するシンボル」『数字』 一 二 三

『1』 「一」という数字は特に唯一の神を指しています。申命記6・4に「聞け、イスラエルよ、我らの神、主は唯一の主である」とあります。すべてのものの元は。一つでした。ですから一は「一致」を表します。 『2』 しかし、人間の罪の結果、「一」は壊され…