聖書に登場するシンボル 「隅石」

   日本の木造建築は、まず基礎を造ってから家の中心に大黒柱を建てますが、中東アジアやヨーロッパでは、ふつう自然石か煉瓦を使って家を建てるので、建物の四隅部分に積んだ隅石が家の補強のもとになります。隅石には角の形をした石を選び、上に積む二つの壁が離れないようにします。

    神は、イスラエルという民を造る時同じイメージを使われています。イザヤ28・16に「わたしは一つの石をシオンに据える。これは試みを経た石/堅く据えられた礎の、貴い隅の石だ。信ずる者は慌てることはない」とあります。

    新約聖書のぶどう園の農夫のたとえ(マルコ12・1‐12)では、イエス自身も詩編の言葉を引用して、自分はイスラエルから捨てられる隅の親石だと言っておられます。使徒パウロはもっと具体的に、エフェソ教会への手紙2・19‐22でこのように言っています。「あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、使徒預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです」。

  マンフレート(著)/池田 紘一(訳)『聖書象徴辞典』人文書院 参照。

***写真は島崎教会のアンネの薔薇で、高木淳司さんの提供。アルバムのリンク先 

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