聖書に登場するシンボル 「聖霊」

   ヘブライ語では「聖霊」は動く空気、すなわち風を意味すします。大昔の人は、風を神の息と考えていました。この風は、時によって暴風として何もかもなぎ倒していくかと思えば、猛暑にあえいでいる時に涼風を送って、人を癒してくれます。ですから、風は、神の怒りや神の優しい心遣いを表すものと受け取られていました。

    使徒言行録2・2に、「突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた」とあります。またヨハネ3・8には、「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである」と記されています。

    創世記2・7 には「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった」とあり、詩編104・29には「御顔を隠されれば彼らは恐れ/息吹を取り上げられれば彼らは息絶え/元の塵に返る」と歌っています。ですから「神のいぶき」というとすべてのものを生かしている神の力であり、神の息は、わたしたちを生かしているのです。

 

 マンフレート(著)/池田 紘一(訳)『聖書象徴辞典』人文書院 参照。

***写真は乙女峠で、高木淳司さんの提供。アルバムのリンク先 

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