「お家にいましょう・stay home」 ⑥ たった一人であることを見出す

  人は誰もが一人ぼっちです。わたしと全く同じように感じたり、考えたり、行動する人は、どこにもいません。わたしたちは一人ひとりがユニークであり、わたしたちが一人っぼちであるというのは、このことの別の側面です。問いかけは、わたしたちが一人ぼっちであることを一人ぼっちの寂しさとするか、たった一人のかけがえのないものとするのです。一人ぼっちの悲しみは苦しいことですが、たった一人というのは平安に満ちています。一人ぼっちの寂しさから、わたしたちは必死も他の人々にしがみついてしまいます。それに対して、たった一人のかけがえのない存在であるという認識は、他の人々をそれぞれ独自の存在として尊敬し、一つのコミュニティーを作り出す。

   一人ぼっちであることを、たった一人のかけがえのない存在であるという認識へと成長させ、一人ぼっちの寂しさにしないようにする葛藤は、わたしたちの生涯にわたって続くでしょう。それは、誰と共にいるか、何を学び、どのように祈り、どのような時に助言を求めるかといった、自覚された選択を必要とします。賢明な選択によって、わたしたちはそれぞれがたった一人のかけがえのない存在であることが分かります。この自覚の中で、わたしたちの心は愛の内に成長できるでしょう。

H・ナウエン、「今日のパン、明日の糧」2003年 聖公会出版

写真は高木淳司さんの提供で、「アゲハ蝶」アルバムリンク

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