人と人の間の親しさは、近しさも大切ですが、また距離を保つことも必要です。それは、ダンスと似ています。時には互いに近づき、互いに触れ、抱き合いますが、時には離れて双方が自由に動ける間をとれるようにします。
すぐそばにいることと、距離を保つこととのバランスをとるのはやさしいことではありません。とりわけ、パートーナーのニーズがある瞬間に非常に異なる場合には。一方が近づきたいと思った時に、他方は距離をとる必要を感じます。一方が抱き締められることを望んでも、他方は独りで動くことを求めます。完璧にバランスをとることなど、なかなかありません。けれども互いに正直であり心を開いてバランスをとろうとするなら、見るに価する美しいダンスを生み出すことができるでしょう。
H・ナウエン、「今日のパン、明日の糧」2003年 聖公会出版
写真は高木淳司さんの提供で「教会の薔薇 祈り」アルバムから
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