ただ神とだけいるために孤独になると、自分がいかにいろいろなものに頼っているかということにすぐに気づきます。わたしたちは日常生活に多くある、気をそらせるものがなくなると、不安になって緊張してしまいます。誰も話しかけてくれなかったり、訪ねてくれなかったり、誰もわたしたちの助けを必要としなかったりすると、自分がとるに足りない人間であるかのように感じます。そして、自分は役に立つ人間だろうか、価値あるのだろうか。重要な人間のだろうか、と考え始めます。
わたしたちは、このような不安も満ちた孤独から早く抜け出し、「ひとかどの人間だ」と安心できるために再び忙しい生活も戻ろうとしがちです。けれども、それが誘惑なのです。というのも、わたしたちをひとかどの人間にするのは、人々がどう思うかではなく、神がわたしたちを永遠の愛で愛してくださることによるからです。真の自分であり続けるためには、孤独の中で神から離れないことです。神はわたしたちを本当の自分にしてくださる唯一の方かだらです。
H・ナウエン、「今日のパン、明日の糧」2003年 聖公会出版
写真は高木淳司さんの提供で「蜜柑の花と蜜蜂」アルバムから
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