彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。」（ヨハネ20・22） 風そのものを見ることはできませんが、風に動かされて空を舞っているこいのぼりは見ることができます。イエスは弟子たちに丁寧に息を吹きかけています。注がれる命の息は、弟子たちに…

「イエスは旅に疲れて、そのまま井戸のそばに座っておられた。」（ヨハネ４・６） 私たちは人生の旅において、福音の価値観に忠実に生きる難しさと複雑な人間関係に悩まされています。理解してもらえることが少なく、反対に誤解されることが多いため、傷つき…

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「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」（マタイ17・５） 「聞く」ことは、単に耳で相手の声を聞くという意味だけではなく、聖書でよく用いられる表現である「聞き従うこと」や「聞いて実行すること」という行動を伴う姿勢でもあります…

「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。」ルカ２・40 イエスはこの地上に生まれてから、十字架にかけられてなくなるまでの約30年間、罪以外すべての面で人間としての日常生活を送りました。わたしたちは人生の目標にたどり着くまで、…

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「ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れた」（マタイ1・24） 夢は不思議な経験です。夢は希望にあふれて、将来に向かって積極的にやる気を与える経験ではないでしょうか。みなさんは、自分の人生について夢を見ているのではない…

「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして」（マタイ22・37） 愛の掟を口先ではなく実践しようとすると、心も精神も思いも関わることになります。日常生活おいて、「愛する」掟は挨拶や笑顔、心配りや相手を大切にすることを通して実現されます。形あるも…

「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」（マタイ22・21） 銀貨には皇帝の像が刻まれていたので、皇帝のものと考えられていました。しかしイエスが「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」と付け加えることによって、もっと根本的な問いに注目さ…

イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」（マタイ16・15） 相手を大切にしていることの要因として、例えば夫婦や親しい友人の生年月日や学歴、そして好きな音楽など表面的なものだけではありません。互いに関わったからこそ…

人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。（ヨハネ15・５） わたしたちは多くの人々と繋がっており、相互に助け合っています。日常生活を送る上で、他の人々に頼り、自分で作っていない、もしくは作ることが…

刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。 （マタイ13・30） 芸術家は重く固い大理石から気高い彫刻を彫ります。また、何も描かれていない一枚の紙に、美しい絵を描き出すでしょう。同様に、イエスは一人ひとりの奥の奥まで見抜き、どのような過去…

【新刊】『現場ら現場へ～宣教司牧の気づき』(教友社・定価1100円/税込)が本日から発売されます。カトリック新聞に投稿した記事編。典礼、宣教、司牧、聖書に信仰養成、ミサなど、幅広い課題に対して、対応の仕方や提案、また、現場の質の向上のために、意識…

「わたしは道である」（ヨハネ14・6） キリスト者は、キリストに従う者であり、キリストの道を歩んでいくという意味です。「道」というイメージから、動きと過程の進行を思い浮かべることができます。歩みを進める上で、山もあり谷もあり、波風も立ち、また…

わたしが来たのは、羊が命をうけるため、しかも、豊かにうけるためである。（ヨハネ10・10） 「救い」という表現は、狭義では死にそうな状態から救助されるという意味ですが、広義では命が開花すること、しかも豊かになるという肯定的な見方があります。この…

イエスは「ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。（ヨハネ11・42） わたしたちは人間関係において、閉塞感溢れる状態にいるかもしれません。自己中心的考えや過去の嫉妬、怒り、憎しみなどが足かせとなり、人生の道を歩むことが出来ず、いのちを窒息させ…

聖霊を受けなさい。（ヨハネ20・22） こいのぼりが空に舞っているのは自分の動きではなく、風に動かされているからです。風そのものは見えませんが、風に動かされているこいのぼりは見えるのです。 イエスは弟子たちに聖霊を与えます。それはイエスの温かい…

心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。（マルコ１２・30） 信仰生活は運動会のようなものです。スタートは洗礼を受けてから最後まで、つまり人生の終りまでという一生の競走で、どれだけ時間をかけてもか…

わたしを食べる者はわたしによって生きる。（ヨハネ6・57） 私たちにとって毎日必要で欠かせないものは、身体を養う食べ物と共に精神的・霊的な糧です。糧は、人生の意味を与えてくれる食べ物になります。健康や住まい、仕事などを象徴しています。更に、こ…

「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」マタイ5・44 「敵」のイメージは、武器を持ってわたしたちを襲い、殺そうとしている人のことでしょうか。それとも、わたしたち自身の先入観や都合で、相手に「敵」というレッテルを張っているのではない…

「蒔いている間に」マタイ13・4 人生は土壌のようなもので、様々な出来事が種として蒔かれています。嬉しい時もあれば、辛い時もあり、思いがけない出来事もあれば、待ちに待った出会いもあることでしょう。これまで経験してきたすべてから逃げたり、その出…

「疲れた者、重荷を負 う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」（マタイ11・28） 人生の旅の途上で、わたしたちは複雑な人間関係に疲れているかもしれません。理解してもらえることが少ない反面、誤解されることは多く、傷ついて疲れ…

婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。 あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。 （ルカ２４・5－6） このよい知らせ（＝福音）に促され、復活したキリストに新たにされて、共に人生の…

「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」ルカ５・４ イエスのことばに対して、あきらめるか挑戦するかのどちらかです。まさに勝負の瞬間です。ペトロが利害ではなくイエスのことばに自分を賭けた時、逆転の結果が起こります。 イエスがわたしたちに求め…

互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。（ヨハネ13・34） イエスが弟子たちに残した遺言は愛の掟です。ただ愛するのではなく、イエスが弟子たちを愛したように愛するという深い意味があります。一見難…

この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。（ルカ７・47） 女性が愛を示したがゆえに「赦される」という結果ではなく、イエスが「赦すこと」で愛が生まれてくることを意味しています。ありのままの姿で神の憐れみに自分を任せる…

「皆眠気がさして眠り込んでしまった。」（マタイ25・5） 生きるためには、「人生の生きがい」というガソリンが必要です。最初は満タンでも、生きている間に、知らず知らずのうちに少しずつ減っていきます。人生にはさまざまな迷いや紆余曲折がありますが、…

イエスはすぐに手を伸ばして捕まえた （マタイ14・3１） 信頼は人生の基盤です。信頼なくして人間は生きていくことが出来ません。サーカスの空中ブランコが、信頼のすばらしい例を示してくれます。わたしたちの人生の多くは、ブランコを飛び移るようなもので…

「見ないのに信じる人は、幸いである」 （ヨハネ20・19～31） 弟子たちは復活したイエスに出会い、その体験から信仰が生まれました。その出会いに基づいて、時空を超えて良い知らせとなった福音は、数えきれない人々に伝えられました。更に、イエスによる「…

イエスは四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。（４・２、13） イエスが公生活を始める前に悪魔に誘惑をうけました。これは非常に深い意味を持っています。イエスの最期の場面を思い出してみましょ…